世間一般では「看護師は高給」というイメージが強いですが、本当でしょうか。実際の内訳を見ながら、具体的な数字と共に、その詳細に迫ります。
看護師の平均年収は450~500万円
看護師の年収は年齢や働いている医療機関によって差がありますが、2022年の男性の平均年収が449万円、女性の平均年収が347万円であることを考えると年収450~500万円は比較的高いでしょう。また、看護師はもともと女性の多い職場ということもあり、給料において男女差が少ない職種です。
看護師の年収は、年齢ごとにどのような違いがあるのでしょうか。2022年度の看護師の年齢層ごとの給与は以下のようになっています。
年収の上がり幅として最も大きいのは20~24歳から25~29歳で、約70万円上がっています。その後は一般的な定年である60歳まで、年齢が上がるごとに年収も上がっていきます。定年を迎えて退職するまで、続けるほどキャリアアップしていける職業であるといえそうです。
また看護師の年収は、働いている地域によっても多少の変化があります。年収の地域差・高い地域や低い地域の傾向はあるのでしょうか。ここでは、都道府県別の看護師平均年収を以下の表にまとめました。
令和4年の調査によると、看護師の都道府県別年収トップは東京都の564.1万円という結果になりました。47位は396.4万円の鹿児島県で、東京都と比較すると約170万円もの差があります。ちなみに全国平均は508.1万円です。
ランキングは調査の年によっても変動はしますが、東京・大阪などの大都市圏の方が地方より高い傾向があり、都道府県による地域差は少なからずあると言えるのではないでしょうか。
看護師の給料は全国的にみるとやや男性が高い傾向にはありますが、扶養家族やキャリアの年数といった部分であとはほとんど変わりません。 高い給料をもらっているのに、実際に働いている看護師の多くは自分の給料が仕事量に合っているのか違和感を抱えたことがあるはずです。
特に、仕事に慣れてバリバリ仕事ができるようになった中堅ナースは、仕事と給料のバランスに悩むことが多くなります。
仕事を続けていくためにも給与は大切ですが、それを基準にして安易に転職すれば「激務で耐えられない」「やりがいがない」と悩むことも。
自分の思っていた看護師像と大きく違った職場で働くのは精神的にきつくなります。もし転職を考えているとしたら、どのようなことに注意しておくべきでしょうか。
基本給
基本給に関してはすでに分かった状態で就職していることがほとんどだと思いますが、結局仕事とのバランスがどれだけとれているかということろは実際に働いてみないとわかりません。
労働内容や量は決して給料には直結しません。手当がつきやすいのは夜勤や残業、危険手当のような部分なので、それが発生しにくい職場であれば基本給をしっかり見ておきましょう。
人間関係
看護師はまだまだ女性の多い職場です。家族の体調や子どもの行事などで休み申請の希望や急遽欠勤・交代することも多いはず。気兼ねなく頼れる仲間や、スタッフへのしわ寄せが行きにくい体制が整っていると、人間関係が良好なことが多いでしょう。
今働いている職場でコミュニケーションが円滑にできるのであれば、決して今すぐに転職を決断する必要はないかもしれません。
通勤
通勤は働き続けるために考えておきたいことのひとつ。距離が近くても満員電車や渋滞でストレスが溜まる可能性も。入職時は良くても何年も同じ生活を続けるのであれば出来るだけ負担が少ない方が良いでしょう。
やりがい
看護師をしていると感謝の言葉を聞くことも多く、仕事に自信ややりがいを感じます。看護師として理想の姿になれるような働き方ができる職場を探すことも大切。希望の診療科だけでなく、そこで働いている看護師の動きや表情は未来のあなたの姿です。面接時に職場見学は欠かさずに行うようにしましょう。